なぜIT化するのか(2) -- 経営課題を解決するためのIT

なぜIT化するのか(2)

経営課題を解決するためのIT

開発部 柴尾昌克 2011/07/20

経営課題解決、意思決定支援を行うためのツールとしては、様々なものがありますが、その一つにITがあります。ITはコンピュータを中心とするため、特に自動化、計算処理およびデータ保存を中心とした支援ができます。
まず情報システムの昔からある使われ方から見てみましょう。

自動化
定型的な作業を、情報システムによって自動化することができます。例えば、昔は在庫管理のために毎日倉庫に行って在庫を数えていたとします。また、受注があったら在庫を引き当てないといけませんが、注文受付担当者が複数いる場合は、在庫や引当の情報を共有しなければ、二重引当が起きてしまいます。そこで、情報システムで在庫を管理するようにすれば、PC 画面上で在庫や引当の状況を自動的に確認することが可能になります。
また受注生産の形態の場合、取引先から注文を受けたら、それを元に製造指示書を起こし、さらにそれを元に原材料を仕入れるための発注書を起こさなければなりません。この場合も情報システムを導入することによって、注文を受けた時点で、製造指示書、さらに発注書を自動生成させることができるようになります。

計算の高速化
コンピュータは本来、計算することが仕事ですので、情報システムを導入することによって、売上などの集計作業や、意思決定のために必要な比較用資料の作成がごく簡単にできるようになります。

記録化
昔は売上記録などは各種帳簿に記録していましたが、現代では環境保護の観点から、紙の使用をなるべく減らし、コンピュータ上にデータベースという形で情報を保管するようになりました。これを可能にしたのが、情報システムの構成要素の一つである記憶装置です。特に、ここ数年の間に記憶装置の大容量化・低価格化が進んでおり、かなり細かい情報までも保管できるようになっています。

また特に、ごく最近重要視されるようになったこととして、

コミュニケーションの円滑化
現場の状況・意見を経営管理者が把握する、および経営管理者の意思決定を現場に周知するにあたって、コミュニケーションを正確かつ迅速に行う必要があります。特に、遠隔地との情報のやりとりにおいては、情報ネットワークが重要な役割を果たします。最近のインターネット技術をはじめとする通信インフラの整備によって、より簡単に情報交換を行うことができるようになってきました。また知識を文書化しデータベースに保存することで、情報共有・保存(ナレッジ・マネジメント)が簡単にできるようになりました。

知識獲得
現代では注文明細をデータベースに記録しておくことにより、細かい売上分析を行えるようになっています。またコンピュータの計算速度の向上のおかげで、より複雑な集計を行う事もできます。例えば、「どの商品がよく売れているか」だけでなく、「どの商品の組合せがよく売れているか」という、いわゆるバスケット分析もできるようになっています。あるいは、過去の在庫推移や需要推移を分析することにより、来月の在庫予測や需要予測を行うようにもなっています。それらが可能なのは、大量の、そして詳細な生データを保存し、集計できるようになったからです。
昔は何か分析をすると言ったら、ある仮説を立てて、統計的手法を用いた検定を行ったものです。しかし、今はデータマイニングという分析手法体系があり、生データに対して様々な角度から分析を行うことで、人間では発想がつかないような、意外な結果を導き出すことがあります。例えば、アメリカのあるスーパーマーケットが購買分析を行ったところ、「週末に車でベビーミルクを買う男性は、ついでにビールも箱で買っていく傾向が大きい」という結果を導き出して、実際にミルクとビールを一緒に陳列したところ、売上が本当に伸びたというエピソードがあります。

があります。現代において情報システムが果たすべき使命は、業務の効率化のみならず、経営意思決定に必要な情報を提供するところにあります。最終的に意思決定を行うのは、経営者であり、人間ですが、その判断材料としての客観的データを提供するのが情報システムの使命というわけです。